2日目は、いよいよ熊野古道へ。
コケやシダ植物が生い茂り、年齢を重ねた木々が佇む、静かで情緒あふれる道が続いていました。
想像よりも歩きやすい道が続き参加者の皆さんの足取りは軽く、石川さん、植島さんと談話をしたり、カメラを向けて撮影しながらのハイキングを楽しみました。
そうして、思っていたよりも早く熊野本宮へ到着しました。外出中だった宮司さんから粋な計らいが。参加者一人一人に熊野大社オリジナルグッズなどの素敵なお土産をたくさんご用意くださいました。
巨大鳥居で有名な大斎原へ向かい、続いて一行は那智大社へ。
鳥居をくぐると、その場を漂う空気がさらに深くなるような感覚に。
また、湿気で苔むした石畳や切り株が、しっとりと時間の流れを演出しています。
道なりに奥へ進むと、あの有名な日本三名瀑の一つ、那智大滝が目の前に現れました。
133mの岩盤を水がとめどなくあふれ、流れていくさまは圧巻です。
さらに滝へ近づくと、岩を打つ水音の大きさと辺りを覆う水しぶきに驚かされます。上を見上げると、その高さを改めて実感できました。
飛瀧神社内の滝見台にて、滝をバックに集合写真撮影。参拝後にジャンボおみくじを引く参加者の方。箱を振っておみくじ棒を取り出すだけでも大変そうです・・!
その後、季節の味覚をたっぷりと取り揃えた、彩豊かなお弁当でエネルギーをチャージしました。
那智大社から移動すること約2時間半・・・。一行が次にやってきたのは、山奥深くにある丹倉神社です。
ここでは植島さんのご紹介で、赤倉地区を盛り上げる様々な活動をされている中平さんや「熊野ジャーナル」のライターをされている久保さんにもご同行いただき、更に奥深い熊野を触れに行きました。こちらもご神体は、注連縄をはられて鎮座する巨石。余計な装飾のない佇まいが場所の雰囲気をより神秘的なものにしていました。中平さんはこの丹倉神社の手入れをし、祭事の際には自ら祝詞を奏上されているそうです。
皆さんこの圧倒的な大きさの石のパワーをたっぷり頂いていました。
次なるディープスポットは大丹倉。
大丹倉はここにそびえたつ大絶壁のことで、この地域は古代から修験道として多くの人々が厳しい修行に訪れた場所です。急な傾斜の岩壁を、一歩一歩踏みしめながら登って行きました。
10メートル程のぼると、広大な空と連なる山々の風景が視界に飛び込んでくる絶景スポットにたどり着きました。岩肌がむき出しになった崖はまるで山上にしつらえられたステージのよう。澄んだ空気をたっぷりと吸い込みながら、自然が演出する風景に見入ってしまいました。
この地で武士でありながら刀鍛冶として修験をつんでいた、天狗鍛冶・近藤兵衛の屋敷跡もありました。
深い森をあとにし、次は産田神社に向かいました。
こちらは、弥生時代からあるという大変古い神社で、国生みのイザナミノミコトが火神カグツチノミコトを生み、亡くなったとされる場所。信仰の意を表す白い丸石が敷き詰められたエリアは土足厳禁なので、皆さん靴を脱いで渡りました。植島さんから語られる、文献を見ないと分からないようないわれや習わし。
実物を見ながら聞き入ると、より土地への理解が深まっていきます。
一行は花の窟神社へ向かいました。こちらは大きくそびえる岩壁がご神体。上を見あげると、不思議な形に編まれたしめ縄がぶらさがっていました。
花の窟神社は、前述の国生みの母神、イザナミノミコトのお墓として多くの信仰を集める場所です。岩に数多く開いた穴に、願をかけながら小石を投げいれると、願いが叶うとされているそうです。
ここで気づくのは、1日目に訪れた大斎原と産田神社、そして花の窟神社との共通点。どの場所も白石がしきつめられ、イザナミノミコトとカグツチノミコトを祀っています。これまでに訪れた場所がここで一本につながる、不思議な体験でした。
密度の高い行程を無事に終えた一行は、2日目の宿、熊野倶楽部へ。やわらかく暖かな光が迎える宿に到着して、皆さんもほっと一息。
宿のオーナーも東京からご挨拶に駆けつけてくださった夕食では、写真講評会や、参加者の皆さん一人ひとりに旅の感想を語っていただきました。
また、昼から一緒に同行していただいている中平さんからここでうれしいサプライズが!なんと世界中でここにしかないというアマゴの魚醤と、お茶を参加者全員にプレゼントしていただきました。
世界遺産の熊野古道や熊野本宮大社、発心門王子や河原の露天風呂、冬期は仙人風呂が楽しめます。
雄大な自然と豊かな水に育まれ、心にも体にも美味しく優しい旬の素材に恵まれている熊野。オリジナルの地酒やカクテルとともに、心ゆくまで熊野の味をお楽しみ頂けます。