ワークショップで心を思い切り解放させる充実した時間を過ごした後、一行は一度宿泊先のHOTEL ANTEROOM KYOTOへチェックイン。
京都九条の閑静な場所に位置する、アパートとホテルの機能を兼ね備えた滞在施設で、モダンデザインと機能性が充実したホテルです。名和さんのアートワークが目を引くエントランスの他、複数の作品が来客者をもてなします。
各自1時間ほどの自由時間を過ごした後、旅のクライマックスの舞台「料亭・菊乃井」へ移動です。大正時代に建てられた大広間にはいると、名和さんの彫刻・平面作品がぐるりと部屋を取り囲むように展示されていました。そう、これらの作品はすべて、前日に名和さんとSANDWICHスタッフ、そしてUSAPメンバーの皆さんが深夜1時頃までかけて搬入したものです。こちらがその搬入時の写真。
名和さんの指示のもと、次々と作品が設置されていき、空間がどんどん変わっていきます。
これも30日の夜のためだけに用意されたスペシャル展示です。
作品が老舗料亭に展示されるという異色のコラボレーション。参加者の皆さん、目の前、またはすぐ後ろに作品が迫る空間に入室した途端驚きの声をあげていました。
大正ロマンあふれる部屋に設置された一つ一つの作品を夢中になって撮影します。
席についてからもあちらこちらに佇むエネルギッシュな作品達から目が離せない様子でした。
そんな中スタートした夕食会。まずは「菊乃井」三代目店主・村田吉弘さんからご挨拶が。この日のメニューは、当日のためだけに用意されたスペシャルコースだそうで、皆さんの期待感が高まります。女将と若女将の挨拶のあと、お待ちかねの料理が運び込まれます。
まずはこの日の出会いと体験に感謝し、皆さん盃をもって乾杯です。
出されるお料理はどれも美しく彩られた宝石のような懐石料理。趣向を凝らした料理が一つ一つ出てくるたびに、お客さんから歓声があがります。
器にもこだわりをもつ菊乃井。こちらの写真の輪飾りは、子供を輪に通して無病息災を願うお祭りに由来しているそうです。
一品一品に舌鼓をうちながら、目では名和さんの作品を味わうという贅沢な時間。
食事の途中、名和さんによるアーティストトークが行われました。瀬戸内国際芸術祭に出品した犬島の作品や、2年越しの長期プロジェクトとして6月に韓国・チョナン市に設置された巨大な屋外彫刻「MANIFOLD(マニフォールド)」完成までの並々ならぬ創作プロセスや秘話などを約30分間お話しいただきました。
参加者の皆さんは思わぬエピソードに笑ったり驚いたりしながら、スライドや映像を食い入るように見つめていました。同じく村田さんや女将、料理人の方々も、名和さんのお話を廊下で真剣に聞かれていました。
国内外を問わず、世界中から京都を訪れる方々に向けた今までにない新しいスタイルのホテル。友人が集う場に遊びにきたような居心地の良さも兼ね備えながら、京都の今を表現するアートやカルチャーが集まる刺激に満ちた場を提供しています。