まつしろ現代美術フェスティバル③

2014.Sep.25

まつしろ現代美術フェスティバル③

松代の魅力紹介も今日で最終回になります。
これまでの2回でも重厚な造りの建造物を紹介して参りましたが、本日はさらに、建造物に視点を置いて、紹介していきたいと思います。
なぜ、こんなにも古き良き日本の風景が残されているのか、建造物から松代の歴史を掘り下げます。
 
 
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はりきって次にいきたいところですが、腹が減っては戦はできぬ、ということで、移動の前に腹ごしらえです。
長野県と言えば、ということで、お昼は沙羅樹庵にておそばを頂きました。
長野県の郷土料理であるおしぼりうどんから展開されたおしぼりそばは、辛味大根の絞り汁に味噌を溶かしたものをつゆとして頂きます。辛みのある汁がよく効いていて、美味しく頂きました。
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沙羅樹庵を出てさざんかや家屋の塀に沿って続く水路に泳ぐ鯉を見ながら歩いていくと、山寺常山邸に到着します。
 
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中では現在村上慧さんが行っているプロジェクトで描かれた家の絵が展示されていました。
 
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村上慧さんは、東日本大震災を機に、家を基盤に生活する暮らしについて考察するため、「移住を生活する」試みを行っているアーティストです。
具体的には、写真正面の「村上」と書かれた小さな家を背負って日本中を歩いて回り、その日たどり着いた街にある家を描きながら移住生活を送っています。
 
 
山寺常山邸の現代の日本の家々を切り取って描かれた作品を後にし、改めて松代の町並みを眺めていると、時がとまっているかのような錯覚を覚えます。
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瓦屋根、茅葺屋根、畳、襖、土壁など、、、明治以降町ごと切り取られて残されたかのような家の数々。
町全体が古き良き日本の景観を残しており、今でこそ観光町として栄えていますが、よく考えてみるとそれは、他の都市のような発展の遂げ方をしなかった、ということでもあります。
たまたま立ち寄った松代焼のお店の方にお話を伺ったところ、以前から観光町として栄えていたのではなく、それはほんの最近のことなのだそうです。
明治維新後の廃藩置県により、松代も県庁誘致に動いたそうですが、隣接の長野県に統合されて県庁が長野に置かれることになって以来、ほとんどの行政機能が長野に集められ、松代は早々に表舞台から消えていったそうです。
私たちが今このような重厚な歴史的建造物を見られるのも、翳りの歴史があったから。それでも、観光町として再興した松代町。
歴史的建造物と現代アートのコラボレーションで新たな町の魅力を発見するような取り組みを行い、さらなる今後の発展を遂げようとしています。
今後のまつしろ現代美術フェスティバルの継続と、さらなる松代の発展を期待して待ちたいと思います。
 
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お土産はくりの落雁。長野と言えば、そば、りんご、栗、落雁、みすず飴、など、思い浮かぶものも様々ですが、秋の味覚である栗風味の落雁をチョイス。
ほくほくと口内で溶けていく甘みに頬も自然とゆるみます。
 
 
Information
■まつしろ現代美術フェスティバル
■真田宝物館(山寺常山邸)
■信州松代観光情報
 
 
 
 
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