未知のこと、不可視なことを漫画で表現するいがらしみきおさん。現代の普遍的な社会問題と真摯に向き合い、鮮度の高い表現で作品を世の中に打ち出していくアーティスト・コレクティヴChim↑Pom のエリイさん。このお二方が興味を持っている、恐山、三内丸山遺跡、六ヶ所村を共に巡ります。わたしたちが生きていく上で必ず直面している「信じること、暮らすこと、解決すること」それぞれとどのように関わっていくのかテーマを抽出し、具現化したエリアをめぐりながら、お二方と共に考察します。
この三ヶ所は各々が異なる明確な目的のもと開かれていますが、訪れる人の目的や受けとる印象は様々です。また、大きなテーマや概念を具体化し、演出された場所は、広義の解釈でテーマ・パークとも呼べるでしょう。そこでお二方とともにこの三カ所を「文明のテーマ・パーク」として位置づけ、この旅を通して「ここ はいったいどこなのだろう」と考え、共有することで、新たな解釈を得て、「ものごとの捉え方」に広がりを持つことを目指します。
1日目は訪れたいとは思っていてもなかなか行けない、青森の特徴的な地形を形成する二つの半島のうちの下北半島。
そこにある日本でも唯一、死後の世界や死者に寄り添えるといわれる恐山菩提寺へ。
別名「宇曽利山」とも呼ばれている恐山は、高野山、比叡山と並び、日本三大霊山に数えられています。
恐山では、死者や死後の世界ついて想いを馳せながら、ゆっくりと自由にまわっていただきます。そして歩きながら風景をみて感じた印象を、絵または文章にしていただきます。
それにいがらしさんが文章を書いた方には絵を描いていただき、絵を描いた人には文章を付け加えていただきます。
2日目は六ヶ所村原燃PR センターへ向かいます。
ここでは3.11 以前と以後で施設に対する印象がまるで異なり、その印象の違いを参加者の方々に見ていただきます。
この施設は3.11 以前に建てられたもので、原子力をポジティブなものとしてアピールしています。
しかし、3.11 後、この施設はポジティブでもネガティブなものでもない、テーマが抽象的に浮遊している状態です。
だからこそここで、参加者のみなさまと一緒に「ここ はいったいどこなんだろう」と考えてみたいと思います。
参加者様それぞれが感んじた印象を絵や文章で付け加えていただき、いがらしさんも言葉では表わせない抽象的な印象をキャラ化することで、抽象的なイメージを具体化し、参加者全員で共有することで、この施設の「文明のテーマ・パーク」の在り方を探求します。
その後、三内丸山遺跡に向かいます。
ここは国内でも最大級の縄文時代の遺跡群です。現在も調査が行われています。
ハード面ではどのような住居であったかなどは、解明されつつあります。
ソフト面である、どのような生活をしていたかはまだ未知の状態です。
そこで、遺跡群を巡りながら、どのような生活をしていたか想像してみましょう。
そして旅のクライマックスは、エリイさんと参加者のみなさまで、縄文の象徴である、「縄」と「火」で絵を描くという、パフォーマティブな作品を制作します。是非ご期待ください。
その後は夕食をいただきながらのフリートーク。文明のテーマ・パークである3カ所で行ったワークショップや作品制作を通して、恐山、三内丸山遺跡、六ヶ所村それぞれの印象がどう変わったか、みなさまで自由にディスカッションしてみましょう。
3日目はホテルで現地解散となります。
このプロジェクトの感想をいがらしさんとエリイさんとのお話のあとは、みなさま思い思いの青森を観光をお楽しみ下さい。
いがらしみきおMikio Igarashi
Chim↑Pom エリイ
今回のツアーでは複数ホテルをご用意しておりますが、応募人数の状況によっては、一つのホテルでのご宿泊、もしくは分宿となる可能性がございます。
詳細が確定しましたら、運営事務局より改めてご連絡させていただきます。
※天候並びに交通事情等で目的地や時間が変更になる場合がございますので予めご了承ください。